…and so on それでも日常は続く

2023.12.19火
藤堂志津子「プライド」角川文庫 2002年発行

フシギな小説。何もかもサスペンデットで唐突に終わる。消化不良感。
23歳の男性が36歳の女性主人公にアプローチを続ける理由は明確には明かされない。

90分2〜3万円で男を買う話を「ルース」のマスターとした時の直接描写はないので、そんな話を持ちかけられる36歳の女性はそれほどattractiveではない、と判断して読んでいた。その辺りの客観描写はないので実際はどっちなのか判らない。別に23歳の男が36歳の女を恋愛対象と見て性的魅力を感じている話でも良いのだが、男はそういう素振りは見せず、最後まで一切触れ合わない。もし充分attractiveだとしたら23歳の男の行動はいよいよ判らない。

性愛目的でないとしたら残るは人間性だが、ふたりの会話を読む限り、別に知的でもなく、会話として面白みがあるというわけでもない。冒頭のホテルから尾行して自宅と勤務先と引越先を全て突き止めるのは相当な手間。もしそれを本当にこの23歳の男が自分ひとりでやったのだとしたら、相当な何かがないとできない。普通に考えれば、それは恋愛感情しかありえないと思うが、結局それが何かは明かされない。

それにしても、引越先なんて普通は他人は知りえないと思うのだが、引越当日に尾行したという事なのだろうか?その辺りの心理と行動の謎が明かされていくサイコサスペンスかと思ったら全然違ったので肩透かしを食らった気分。主人公も男も自分で自分の行動原理がよく判っていない、という事を言いたかったのだろうか。巻末の解説は「日本では稀なリアリズム」と称している。
2023.12.16土
藤木TDC「アダルトビデオ革命史」幻冬舎新書 2009年発行
巻末の年表を含めて資料的価値は高い。
09年発行なので当然VRには言及されていない。
70年代後半の最初の裏ビデオのくだり(P57)、「ビデオの基礎理論はもとより、映画的教養も撮影の基礎知識もほとんどないアウトローたちがそれを使いこなしたことは、当時のビデオ機器が専門技術不要の、誰でも操作できる簡素化されたものだったことを端的に示している」は断定しすぎの感。そういう事が大好きなマニアックなアウトローがいたかもしれないし、制作は外部外注してアウトローは製作と流通を仕切っていただけかもしれない。
2023.12.13水
「○○○をしなくてはいけない」「○○○ができないとダメだ」なんて思う必要はない。いまこの瞬間に生きていればグッド。どこにも痛みがなく普通に体を動かせればベター。なんでもいいからやりたい事が何かひとつでもあればベスト。それくらいハードルを下げる事ができれば人生は楽になる。
2023.12.08金
「大竹まこと ゴールデンラジオ」オープニングで触れていた繁華街の磯辺巻きの屋台は1980年代のある時点までは普通にあった。ドラマ「ふぞろいの林檎たち」第1話の冒頭に中井貴一が食べるシーンがある。僕が実際に六本木の夜の店でバイトしていた89年〜90年はどうだっただろう。見かけた記憶はない。忘れているだけかもしれない。
2023.12.07木
「冬場は起きた時間に関係なく、陽が高いうちに散歩に出よう」と決意しても、目が覚めたら10:00過ぎ、ベッドを出たのが11:00、日刊スポーツをチェックして、少し読書をしたらもう13:00だと、どうしても出遅れ感がある。ある程度やるべき事(読書・執筆系3〜4時間)をやってから、午後は一旦ペースダウンして過ごしたい。その為には、遅くとも9:00起床、10:00〜13:00読書・執筆系が冬場の理想。
2013.11.29水
傑作を書いてやろうなんて出来もしない事を目指せば自然と筆は止まる(げんみつにはキーボード上の指は止まる)。変な奴が出てくる変な小説を書くつもりで書けば良い。傑作やちゃんとした小説は世の中にあふれているのだから、あえて書く必要はない。どんな変な小説でも勝手に書く分には自由。問題は読んで貰えるかどうか。それは自分ではコントロールできないのだから心配しても仕方がない。

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