これから半年間は室内では半袖短パンだろう、と思っていたら、今日はどうにも肌寒いので長袖長パンを引っ張り出して着る。ふとんを夏用に換えたのも少々早かったか。日記を読み返すと、去年は5月22日にふとんを換えていた。
どうせ同じような話なんでしょ、と思いつつ、結局「大市民挽歌」買ってしまった。
「大市民挽歌」にはあの佐竹さんと同じ人物にしか思えない「佐川さん」が登場する。
ひょっとして最初から佐川さんだっけ? と「大市民」第1巻の最初の方を読み返すと佐竹さんだった。
それにしても最初の方の山形はキャラが違いすぎる。
直接その場で本人に言いたい事を言うハードボイルドで、ヤクザにもひるまない。
若い女性にモテる。タバコを吸いまくる。食事は外食。
途中からだんだん作者自身に寄っていったのではないかと推測。
「大市民挽歌」第1巻は、相も変わらずなんだかんだ言いつつ(ほぼ独り言、世間や特定の個人に対する文句は言わなくなった)自炊して酒飲んでいたのが、第2巻は近所に住む柏木さんを発端にストーリーが展開、「大市民」第1巻の最初の方以来の実力行使まで。さあこの先どうなる、という所で終わるが、なんと、第3巻は出てなくて刊行予定もないらしい。
小林信彦「コラムは笑う」ちくま文庫 P261
"成瀬の映画は年を取らないとわからない。人間は生まれながらにして孤独で、家族や愛は虚妄だと言っている。それもいやらしいほど具体的で夢も希望もない。絶望さえ甘く見えてしまう世界"(※文体を変えて抜粋)全く同感。小津安二郎も成瀬巳喜男も、本当に染みてくるのは、50を過ぎてからだと思う。この文章執筆時の小林信彦は53歳。
※2024.05.02木
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